砥石の選び方 初心者向け

包丁・グルメ
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今回は砥石の選び方の記事になります。

基本的に包丁研ぎの初心者の方向けの記事になります。

早速砥石の購入時の注意点ですが、

結論から言うと以下の7点になります。

  • 良く家庭で使用される鋼とステンレスの包丁を研ぐなら初心者は柔らかめの砥石がお勧め(研ぎやすい)
  • 砥石は事前に水に漬け込む必要があるものと漬け込む必要がないものがあるので購入前にチェック
  • 大きさは1丁掛(一番小さいもの)で十分
  • 砥石には番手(荒さ)があり一番最初に買うなら1000番前後の中砥がお勧め(普段のメンテナンスはこれ一つで事足りる)
  • 研ぎに慣れてきたら刃こぼれや形の修正に200番前後の荒砥、より滑らかできめ細かい切れ味を付けるために2000~ぐらいの仕上げもお勧め
  • セラミックの包丁は専用のシャープナー、もしくはダイヤモンド砥石で研ぐか業者に依頼する(ただしセラミックの包丁は硬くて研ぐのが難しいので依頼するのがお勧め)
  • 現在店に出回っているほとんどが人造砥石。天然砥石は扱いが難しいので初心者は人造砥石がお勧め

早速詳しく見ていきたいと思います。

その前に注意点

詳しい解説の前に本記事の注意点です。

大前提として今回は通常の人造砥石のお話になります。

砥石には人工的に加工して作られた人造砥石と鉱山から採掘される天然砥石があります。

さらに人造砥石には通常の砥石とダイヤモンドで加工したダイヤモンド砥石がありますが

今回はダイヤモンド砥石の話はしません。というのも、

ダイヤモンド砥石は通常の砥石とは硬度が違うので同じ番手(荒さ)でも用途が変わってきますし電着か焼結タイプ(砥石の製法の名前です)でも細かい性能が変わってきます。

また天然砥石も人造砥石とは勝手が変わりますので今回は詳しい話は省きます。

なので以下の文で砥石と出てきたら通常の人造砥石と思ってください。しつこいようですがダイヤモンド砥石や天然砥石は人造砥石と勝手がかなり変わりますので同じ感覚では使えません。

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人造砥石

現在出回っているほとんどの砥石がこちらになります。

砥粒(研磨剤)を結合剤で焼き入れ成型したものがこの人造砥石です。

最大の特徴は番手(砥石の荒さ)が明記されており

品質が安定していて用途がはっきりしていることです。

砥石を構成する3つの要素

人造砥石は天然砥石と違い砥石の性能が明記されているので自分の用途に合わせて購入することが出来ます。

砥石の性能を決めるのは主に以下の3点です。

  • 番手(砥石の荒さ)
  • 硬さ
  • 大きさ

番手

まず番手です。この番手が砥石の用途の大部分を占めています。

上の画像の砥石の下の方に数字で#1000と書かれていると思います。

これが砥石の荒さを表す数字、「番手」です。

この数字は低いほど砥石のざらつきがあらく研削力(包丁を削る力)が高いと思ってください。

数字が高くなるほどきめ細かく研削力が低くなります。

番号順に簡単に呼び方や用途をまとめました。

呼び方番手用途
荒砥80~刃こぼれした時の修正や
包丁の形を変える時に使う。
また砥石を平らにするときにも使う。
中砥1000前後切れ味が落ちたときに使う。
普段のメンテナンスはこれで十分
仕上げ2000~中砥で研いだ後さらに鋭い切れ味を付ける時や
小刃付けするときなどに使用
(小刃付けとは刃を2段にすることによって
切れ味を持続させる研ぎの技法の1つ)

番手の数字が低いほど包丁を削る力が強く仕上がりも荒いということ。数字が高くなるほど仕上がりがきめ細かくなる。上級者は荒砥→中砥→仕上げの順番で研いだりするよ。

硬さ

次は硬さです。包丁の材質によって向き不向きがあります。

包丁の材質硬い砥石柔らかい砥石
ステンレス
セラミック××

セラミックの包丁は硬すぎて普通の砥石では研げません。

ダイヤモンド砥石や専用のシャープナーなどが必要になります。

ただセラミックはかなり硬く研ぐのが難しいので基本的には業者に頼むのをお勧めします。

同じ番手のものでも硬い柔らかいがあり、それぞれにメリットデメリットや

向き不向きがあります。

鋼は大抵の砥石で研げますが鋼は細かく種類を分けるとたくさんの鋼材があります。

硬い鋼、比較的柔らかめの鋼、何層のも合わせて作られたダマスカス包丁など。

なので詳細は別記事の鋼の包丁にお勧めの砥石で紹介します。

セラミックは錆びない・食材の臭いが付きにくいなどのメリットもあるけどとにかく研ぐのが
難しい。だから飲食店なんかではあんまり見かけないよね。

柔らかい砥石
メリット
  • 柔らかいため研ぎ汁(砥糞)が出やすくよく砥げる
  • 刃との接点が多くなりやすいため研ぎやすい(初心者向け)
  • 一般家庭でもよくつかわれるステンレス製の包丁にも適しているものが多い

などです。

研ぎ汁とは包丁を研いでいるときに出てくる泥のようなもので

砥石の砥粒と研がれた包丁の鉄が混ざったもの。ざっくり言うとこれがよく出るものほど研ぎやすいと思ってもらって大丈夫です。

デメリット
  • 柔らかいため砥石がすり減りやすい
  • 面直しが多く必要(研いだところがへこんでいく)

などがあります。

硬い砥石
メリット
  • 硬いため砥石がすり減りにくく面直しが少なくて済む
デメリット
  • 硬くて滑りやすいため研ぎづらい
  • 刃との接点が少なくなりやすく研ぎムラが出やすい(上級者向け)

砥石はその製法により品質や硬度が変わります。

包丁の砥石の製法は主にビトリファイド、レジノイド、マグネシアの3つです。

簡単にその特徴をまとめてみました。

名前製法特徴用途硬さ
ビトリファイド可溶性粘土や長石などのセラミック質、
ガラス質を1000度を超える
高温で焼き固めたもの
経年劣化が少なく品質が安定している
荒砥から中砥に使用されることが多く
研磨力が高い。
しっかり水につけてから使用する必要がある
荒砥に向いている硬め
レジノイドフェノールやエポキシなどの合成樹脂を
200度前後の比較的低温で焼き固めたもの
荒砥から仕上げまで幅広く使用される。
研いだ時の触感が滑らかで
きめ細かい仕上がりになるので
特に仕上げ砥石に使われる
水を吸わないので事前に水に漬け込む必要がない
中砥、仕上げに
向いている
柔らかめ
マグネシアマグネシアセメントの
結合材を焼き固めるのではなく
常温乾燥で練り固めたもの
天然砥石のようなきめ細かい仕上げが可能
値段が高価なものが多い
荒砥、中砥、仕上げ
オールマイティーに
使える
柔らかめ

いろいろ書いたけど要は初心者は柔らかい砥石がお勧めです。とにかく研ぎやすい!

大きさ

砥石の大きさは大きく分けて3種類あり、それぞれ1丁掛、2丁掛、3丁掛と呼ばれています。

ただし明確なサイズというのは存在せず、店やブランドによってサイズはまちまちです。

おおよその大きさは以下の通りになります。

標準のサイズの1丁掛が長さ205mm、幅50mm、高さ25mmになります。

2丁掛けだと長さ205mm、幅50mm、高さ50mmで高さが倍になります。

3丁掛だと長さ205mm、幅75mm、高さ50mmで幅が1.5倍になります。

普通に家庭で使用する分には1丁掛で十分です。

上の画像は左が標準の1丁掛、右が2丁掛。左は砥石台がついていますがそれでも2丁掛のほうが大きいです。月に数回研ぐ程度なら1丁掛で十分です。

大きくなると当然コストも上がります💦

まとめ

砥石の種類を解説してきましたがまとめると以下のようになります。

  • 初心者はレジノイド製法やマグネシア製法などの柔らかめの砥石がお勧め(研ぎやすい)
  • 事前に水に漬け込む必要があるものと漬け込む必要がないものがあるので注意
  • 大きさは標準の1丁掛で十分
  • 砥石には番手(荒さ)があり一番最初に買うなら1000番前後の中砥がお勧め(普段のメンテナンスはこれ一つで事足りる)
  • 研ぎに慣れてきたら刃こぼれや形の修正に200番前後の荒砥、より滑らかできめ細かい切れ味を付けるために2000~ぐらいの仕上げもお勧め
  • セラミックの包丁は専用のシャープナー、もしくはダイヤモンド砥石で研ぐか業者に依頼する
  • 天然砥石は目利きが難しいので人造砥石がお勧め

今回は以上になります。少しでも参考になれば幸いです。

管理人の励みにもなります!

今回の記事の内容を踏まえて次回は気になる価格面の要素も入れて

具体的なお勧めの砥石を紹介していきたいと思います。

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