皆さんこんにちは。今回はドラクエ3リメイクのクリア後レビューの記事です。
ちなみにプレイ環境はPS5,発売日に購入しました。
こんな雑魚ブロガーが言うのもおこがましいですが若干きつめの評価・表現になっています。
最初の情報がでてからしばらく音沙汰なかったですが突然1・2のリメイクも発売決定も決まりそのままあれよこれよとするうちに発売されました。
正直滅茶苦茶期待していたしわくわくしていました。
ちなみに自分はドラクエ3に関しては一応FC版、SFC版、ゲームボーイカラー版はクリア済みです。
携帯版はまあ、もういいかなという感じです(笑)正直あれは個人的には劣化移植版だと思っています。(でもドラクエ3をプレイしたことない、SFC版をプレイしたいけどプレイする環境がないけどプレイしたい人には全然アリだと思います)
で、さっそく結論から言いますと
プレイヤーへの寄り添い方をはき違えた作品。
ゲーム根本としては面白くなく、ドラクエ3の雰囲気を楽しむためだけにプレイするならあり。
期待が大きかった分残念な結果でした。また期待値を差し引いても厳しいかと。ドラクエ1・2のリメイクは保留にすることに決めました。
ではなぜそのような感想になってしまったか、良いとこ悪いとこ両方含めて具体的に書いていきます。
良かったところ
現代の美麗なグラフィックで20年以上前の作品がプレイできる
この点は率直に良かったです。表現に3Dも加わったことで町やダンジョンの雰囲気が大幅グレードアップ、というよりもほぼ別物でいた。
3Dで表現するとこういう構造になっているのか!と思わず最初はうなりました!
一応ほぼドラクエ3は何回かクリアしているのでおおよそのマップは把握しているつもりでしたがそれでも道に迷いかけました。
バトルシーンも最初のころの発表とは違う形になってしまいましたが戦闘時に味方のグラフックや装備のグラフィックもちゃんと反映されていました。
若干町や城の中で出入口などが角度的に見にくい時もありますがストレスを感じるほどではありませんでした。
一部イベントの表現のパワーアップとストーリーの補完
一番大きい部分ではオルテガのストーリーの補完です。
SFC版でもオープニングデモは追加されていましたが今作はオルテガの旅の軌跡を所々でたどることが出来ます。旅の苦労話や男の友情、過去作では今一わかりづらかった点も補完されています。
が、個人的にはそれよりも勇者の母との追加イベントの方が印象に残っています。CV付のイベントで母の声優さんは佐藤利奈さん。有名どころで言うとアニメ「とあるシリーズ」の御坂美琴役。
正直オルテガの話よりこの勇者親子の無事を祈る母の姿に心を打たれました。(笑)
声優さんの演技も素晴らしい
他にも愛の思い出のイベントも表現が大幅強化されていました。
新特技の追加
ほぼすべての職業に新特技、もしくは新呪文が追加されました。さすがに現代のコマンドバトルでただ殴るだけのアタッカーだと戦闘が単調すぎるのでこれは良い試みだと思います。
しかし不満点もあり、この特技がゲームバランス崩壊に一役買ってもいます。詳しくは気になった点で書きます。
気になった点
広すぎるフィールドマップ
フィールドマップが広いことは別に悪いことではありません。今作はフィールドにも探索ポイントがちりばめられています。強力なアイテムも手に入るので探索のし甲斐はあります。
ただ、その広いフィールドと移動スピードが全く合っていない。フィールドを狭くするか、移動スピードを速くしてほしかったです。
また探索で手に入るアイテム、強力なものもありますがゴミみたいなアイテムはその100倍あるので結構ストレスです。特に序盤、船やラーミアでしか行けないような場所に後半戻ってきてなんだろうと調べたらまさかの薬草とか結構あります。
正直なめとんのかとなりました。数が無駄に多すぎます。素人が適当に配置したとしか思えません
移動に関しては特に船が最悪で、初動は0からスタートして段々早くなっていくんですがこれがまた遅い。しかもメニュー画面を開いたり戦闘などで画面が変わるとまた0から動き出しです。
追い打ちをかけるように今作エンカウント率が以上に高いです。完全に忍び足やトヘロスを使用する前提のエンカウント率です。
自分は最初盗賊を入れていなかったんですが「これは無理だ。クリアせずに終わってしまう」と確信し、すぐにメンバーチェンジしました。
古いゲームで例えるとブレスオブファイアⅡに近いものを感じました。
この部分は完全に調整不足だなと感じました。エンカウント率を下げる盗賊の忍び足や雑魚敵を封じるトヘロスも確かにありますが。盗賊はメンバーに入れない人もいるでしょうしトヘロスは勇者のレベル20前後の呪文。初見で盗賊を入れなかった人は大分ストレスだったと思います。
追加要素のバトルロード
正直かなりの手抜き感を感じました。
内容を簡単に書きますと各地に隠れているはぐれモンスターを捕まえて闘技場で戦わせるもの。
ただその内容が薄すぎて、モンスターは基本話しかけるだけで仲間になります(一部条件で逃げたり特定の時間などでしか出現しないものもいますが場所は完全固定です)
モンスターの名前を変えたり育成したりする要素は無いです。名前もひどく適当感が半端ないです。
ただただ数を集めて闘技場で簡単ないくつかの作戦コマンドを選びあとは見ているだけです。レベルは一応同種類のモンスターを捕まえるとレベルが上がります。
戦闘は基本見てるだけなのでなんの面白みもないです。また、モンスターを捕まえるのと同じようなドラクエおなじみの小さなメダル集めもあるので終始作業感がとてつもなく非常に苦痛でした。(エンドコンテンツを制覇するにはメダル、モンスターともにある程度コンプリートする必要があります)
戦闘のバランス調整が雑過ぎる
ゲーム難易度仕様
ゲーム開始時にゲームの難易度を選択するのですが、難易度は他のゲームで言うところの
- 楽ちんプレイ→イージー
- ばっちり冒険→ノーマル
- いばらの道→ハード
と思ってもらって大丈夫です。難易度選択自体は全く問題ありませんが問題はその仕様で、
なんとらくちんプレイだとHPが0にならない=全滅しないようになっています。
これは完全にゲームとして破綻している…
RPGツクー〇のテストプレイかと思った
最初はなにかの間違いかと思いましたが本気でした。
シミュレーションゲームならわかりますが通常のRPGにおいてその仕様はただプレイ時間、レベル上げ作業が長くなるだけで難易度上昇とは言い難いと思います
またいばらの道を選ぶと取得経験値とゴールドが減少します。
決められた手数の中で攻略するシミュレーションゲームならわかりますがRPGでこれは無いなと思いました。特にもともとドラクエはレベリング作業が多いゲームなのでただただ無駄にプレイ時間の水増しに感じました。
敵が硬すぎる
特にゲーム中盤以降はこれが顕著でした。どれくらいかというとそれなりにレベルを上げた勇者が本編最強の王者の剣を装備してバイキルトをかけた一撃が全く役にたたないくらいでした。
神の金属とは一体…
敵が硬いのもありますがルカニ、バイキルト系の仕様がターン数で消滅になったのもあります。(もちろんバフ、デバフをかき消す凍てつく波動のような相手の特技もあります)
攻撃力にダメージが依存する特技を扱う戦士は特にこの仕様をもろに食らっており後半は全く役立たずでした。
詳細は後述しますがさらに拍車をかけて新特技があまりにも強力すぎるのもあります。
新職業が手軽かつ強すぎる
新職業の魔物使い、発売前から情報はある程度出ていたので初めからパーティーに入れていた人も多いと思います。自分もそうでした。新職業なのである程度優遇されるのもわかります。しかし途中からいくら何でもやりすぎだと思いました。
ネットでも有名なようですが特に「まものよび」と「ビーストモード」という特技が使いやすい上に強力です。(ほかにも条件付きで強力な特技は存在します)この二つはとにかく手軽でまものよびはドラクエ7のどとうのひつじの完全上位互換、(固定ダメージのランダム4回攻撃)ビーストモードは数ターンの間2回行動というチートのような効果。
しかもビーストモードの取得条件は仲間モンスター50匹集めるというかなり簡単な条件です。
(ほかにも盗賊のヒュプノスハントや商人のぐんたいよびといった強力な特技も存在しますが手軽さでは圧倒的にこちらが上です。)
後半はこのビーストモードとまものよびを連発するだけでした
ますます不遇な主人公の勇者
上記の理由で転職のできない勇者は他の職業の特技を覚えない=役に立たないという図式が成り立ってしまいます。一応勇者も新しい特技を覚えるしギガデインも強化されますが…
正直上記のビーストモードの足元にも及びません。王者の剣?魔物使いの前では銅の剣も同然。
レベルアップでステータス全快
ちょっと親切すぎるかなーと。せめてこれこそ難易度イージーのみ採用とかもう少しやりようはあったと思います。
特にダンジョンなどでMPの管理をほぼ気にする必要がなかったので緊張感はほぼ0でした。強力な呪文、特技もほぼ撃ち放題。
序盤は特にレベルがすぐに上がるのでこの仕様もあり全国のプレイヤーも序盤の難易度の低さに驚いたと思います。
快適すぎるダンジョン
今作なんと最初からマップが完全網羅されています。絶対道に迷いません。例えゾーマの城でもバラモスの城でも。
いや、もう完全攻略されてるやん(笑)我々が来る必要あったのかと
マップが3Dに生まれ変わってほとんど別物になったので最初はテンション上がりましたがメニュー画面を開いてすぐに覚めました。
リレミトとはいったい
今作どんなダンジョンからでもルーラを使えばいったことのある町、ダンジョンどこでもワープできます。消費MPはなんと0。天井があろうとなかろうと関係ありません。
ちなみにリレミトも存在します。こちらはダンジョンから脱出するのみ。消費MPはやはり0。
リレミトいらんやん(笑)
リレミトの存在価値も謎ですしどんなダンジョンの奥底からでもMP0でどこでもワープ、ちょっとやりすぎだと思います。上記のようにマップも最初から完備されているし冒険している感は0でした。
まとめ
不満点が多くなってしまいましたが全く面白くなかったわけではありません。全く違うタイトルでこの内容のゲームが2000円ぐらいのインディーズゲームで発売されていたら感想はもっと違ったと思います。
しかし元が名作なためやはり最初の期待値が大きくどうしても気になった点は余計に目立ちます。名作をリメイクするので製作者さんもプレッシャーだったと思いますが逆にもともとノウハウ、土台はあったと思うのでもう少し頑張ってほしかったです。
前情報で男女の性別の撤廃の情報が出たときからなにか違和感を感じていましたがプレイして少しその違和感は晴れました。
制作側はプレイヤーへの寄り添い方を勘違いしているんじゃないかと。寄り添ってはいるんだろうけど寄り添いすぎた結果性別撤廃のような制作側の立場を守るような部分が目立ってしまったのではないかと。(簡単、親切=プレイヤーに寄り添うとは違うと思います)
原作、SFC版には無かった母のエピソードなど非常に良かった点もありました。
しかし薄い内容の新コンテンツのバトルロード、特に雑なゲームバランスのせいでゲームとして面白いかと言われればはっきりいって面白くないという感想でした。乱暴な言い方かもしれませんが手抜き感も感じます。
しかし全滅しないなどの要素を逆手にとって当時リアルタイムでプレイしていた社会人の方が時間はあまり割けないけど久しぶりに雰囲気だけでも味わいたいな、というようなプレイスタイルならありだと思います。
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